赤ちゃんの誕生は、両親や家族にとって何ものにも代えがたい慶びの一つでしょう。人としてこの世に生を受けることは極めて得難いことであり、不思議としか言いようがありません。
このかけがえのない『いのち』がすくすくと育ってくれるように、また人間に生まれた慶びをかみしめつつ人生を力強く歩んでくれるようにと、親なら誰もが願うところです。
そうした我が子の人生の出発に当たって、けっして崩れることのない依り所となり、支えとなって下さる如来様に参拝する式を「初参式(しょさんしき)」といいます。
初参式は、子にとっての人生の始まりの佛縁ですが、同時に親にとっても、親として生きる出発点であり、子によって与えられた尊い佛縁です。
世間では、子が生まれて1ヶ月ほどたつと『お宮参り』といって神社へお参りする人が多いようですが、残念ながらお寺へお参りする人は限られているのが現状です。日頃「私は門徒です」と言っている方でも、なかなかお寺に参って来て下さいません。これはどうしたことなのでしょうか。「死に関わる悲しみごとがお寺で、お祝い事はお宮さん」という意識が、人びとのこころ奥深くまで浸透している現実に改めて驚かされます。結局、ご門徒一人一人が聞法に励み、如来様の深いお慈悲の心に触れることによって自らの人生に目覚めて頂く以外にはないのでしょう。
ともあれ、『死』が大きな佛縁となるのと同様に『生』もまた尊い大きな佛縁となるのです。どうか初参式を人生にとっての大切な儀式だと心得て頂きますように。
尚、眞願寺の初参式は毎年4月の親鸞聖人のお誕生をお祝いする「宗祖降誕会」の日に行っております。満1歳ぐらいまでのお子さんを対象に、毎年募集しています。記念品とお斎(食事)をさしあげております。是非ご家族皆様で、お祝いの儀式においで下さい。