貞永元年(1232)60歳の頃、旅仕度をととのえた聖人は、ついに稲田の草庵を後にしました。それは密やかな出立でありました。聖人は『教行信証』の稿本を葛籠(つづらかご)に入れて、背負っていかれたのかもしれません。 途中、有 […]
特集・親鸞聖人
特集 親鸞聖人(5回連載)第4回 東国の教化 鈴木彰
健保2(1214)年の頃、聖人は流罪の地を離れ、妻子と共に常陸国笠間郡稲田郷(現茨城県笠間市)をめざして旅立ちました。ときに聖人42歳でありました。 移住の動機や移住先に常陸国を選ばれた理由は、何だったのだろうか。いろい […]
特集 親鸞聖人(5回連載)第3回 専修念佛弾圧と流罪 鈴木彰
法然上人の専修念佛の教えは、京都を中心に年毎に信者を拡大していきました。これにともなって旧佛教教団である奈良の興福寺や、比叡山延暦寺からの攻撃が始まり、凶暴な嵐は日に日に吹きまくり、念佛を禁止せよという訴えが朝廷にに出さ […]
特集 親鸞聖人(5回連載)第2回 専修念佛への帰入 鈴木彰
ほとんど自らのことを語ることのなかった宗祖親鸞聖人の生涯や、信仰・恩想などを明らかにしたのは「恵心尼消息」(注1)であります。 ここには、比叡山で過ごされた青年期の20年を「殿(親鸞聖人)が比叡山で堂僧をつとめおいでにな […]
特集 親鸞聖人(5回連載)第1回 誕生と出家 鈴木彰
はじめに 親鸞聖人750回大遠忌法要が、平成23(2011)年から厳修されます。大遠忌は念佛再興の動機です。「本願を信じ(信)、念佛をもうさば(行)、佛になる(証)」という宗祖のみ教えを伝えていきたいものです。人間砂漠を […]