台風と銀杏…そして私

投稿日:2004年9月12日

台風で倒れた木台風18号が9月8日朝、北海道に猛威を振るいました。雨は少なかったが、猛烈な風で、身体ごと吹き飛ばされそうだった。札幌では最大瞬間風速50メートルを上まわったようだ。当寺にある江別市の保存樹木に指定されている銀杏の木が、その風にあおられ、外に出てみると、今にでも風で根こそぎ倒れそうな感じがした。「しかし、まさか。」と思いつつ、カメラのシャッターを押した。そんな私の身体にも木っ端や葉が容赦なく吹き付け、「こりゃたまらん。」と庫裏に入り、本堂を見回ろうと廊下を歩いていた。そんな時、表で「ドッターン!ドドーン!」と地響きの様な音が2回した。

なんだこの音は!窓から境内をみると、私が5分前に見上げていた場所に、その銀杏のシンとなる幹が地上8メートルほどのところから見事に折れ、地に横たわっていた。「ほんとに・・・折れた!」と呆然とした。もし、5分前に折れていたら・・・。近所の小学校では、太い樹木が何本も根こそぎ折れ、中学校では屋根が吹き飛んだらしい。北海道を始め全国でも死傷者が多数でたようである。

台風災害にあわれた皆さん。こころよりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を念じます。

台風で倒れた木普段、わがままな人間の災害にあいっぱなしで、ゴミと公害だらけになってしまった大自然の地球さん。その原因はすべて私です。ごめんなさい。この住んでいる土地も、私達の土地であるけれども、それは大きな私の錯覚で、決して私のものではありませんでした。あなたの一部をお借りして、使わさせて頂いていたんでした。

そのことさえも忘れ、台風や噴火、そして地震だってあるのがあなた自身なのに、それを知っていながら、あなたに住まわさせて頂いているのに、たまたまなにかがあると災害だ震災だと言われれば、本当に気の毒ですね。

でも、なかなかそうは思えない自己中心的な私です。本心を言えば、地球の大自然の営みよりも、90年眞願寺とともに歩んできた銀杏の幹の方が、痛ましいです。そして、出来れば台風に来てほしくはなかった。私の住んでいる上空だけは。

…地球がなければ眞願寺も私もないのに、勝手なモンです。そんな私はやはり凡夫の中の凡夫ですね。

平成16年9月12日