死んだらどうなるの?

投稿日:1997年3月1日

「故人も草場の陰で喜んでいらっしゃることでしょう」
葬儀の席で再三耳にする言葉である。ではいったい「草場の陰」とはどこなのであろうか。
元来日本では「土葬」という埋葬の方法があった。お棺のまま裏山に埋葬していた。そこがいわゆる「草場の陰」だったのである。
現代風に言えば「墓場の中」になるのであろうか。

確かに墓にはお骨が納めてあるが、冬は雪の下敷きになり、お盆の頃は、虫とたわむれるあの真っ暗な中には、できれば入りたくない。
人間が臨終するということは、決して骨になるということではなく、この一番かわいい我が身体とも別れていくことである。そして私自身は、阿弥陀如来のはたらきによって、臨終のその時に浄土(喜びの世界)にいきうまれさせていただき、佛とならさせていただくことである。

私達は、「草葉の陰」や「墓場の中」で喜びにいくのではなく、「御浄土に往生」させていただき、御佛(みほとけ)とならさせていただくのです。

注:葬儀の時や法事にお包みするのは、「御霊前」ではなく「御佛前」や「御香典(儀)」と書きます。