私が53歳の時でした。生活が急変しました。
それまで元気だった夫が、突然、交通事故でなくなりました。まさかこんなに早い別れなんて・・
体じゅうの力がぬけ、涙もでませんでした。死というものがこわくて、受けとめることができませんでした。その後、一時体調をくずしましたが、有り難いことに、友人からの声で「民謡」をしてみないかと言われたのが今の私です。夫の死後、悲しく苦しい体験をしました。このままではいけない、元気になって頑張らなくてはと、気を取り戻し、「生かされているから何でもやってみる」そんな思いにかきたてられ・・夫を失った後、「今を生きる」ことの大切さを実感しました。
あれから20年、今こうして元気をもらっていますのは、仏様が見守ってくださっているんだとの思いと檀家の皆様に支えられ、そしてお寺の住職の説法に励まされながら生きる喜びのできることは本当に有り難いことだと感謝しています。
ひとたび去った「時」は逆戻りするということはできません。そんな自分の一生を真剣に考えさせてくれたのが、今にして思えば民謡との出会いでした。民謡を続けてきてよかったと思っております。
民謡は日本古来の伝統文化「心のふるさとの唄」です。私は、今しかできない「時間」を民謡を通して、仲間とボランティア活動や社会福祉活動に、またこども達を育てる喜びを感じております。心境としては、今を生きる自分の心の姿勢、生きる心の姿勢をしっかり持って、人々の心に「潤い」と「安らぎ」「元気」を与えられるよう心して一日一日を大切に活動を続けていきたいと思っています。
歌の仲間と出会って「生きる力」を得ました。歌は私の宝です。歌こそ人生探しとおもって、今では、打ち込める歌に「生き甲斐を」もてたこと、とても幸せを感じています。
楽しむことは「本気で取り組む」ことだと知りました。高齢になった私にとって命の尊さを実感しています。楽しく生活のできること夢のようです。
これからも命の続く限り心の通う種を蒔き、一人でも喜んで戴けるよう心して生きたいと念じております。
今集まっている民謡教室も「人間が生きている蓄積」です。「自分を生かすこと」のできる場です。人生80年時代といわれる時代です。まさしく老後の生活はこれからです。「生きる意味や張り合い」等が大事になってくるものと思っております。
仏様と民謡と出会って、「健康」「思いやりの心」「優しさ」を実感しています。これからも与えられている命の限り、微力ながら、「希望と勇気と行動」をもって、今の自分をもっと輝けるよう心がけていきたいと思っています。