住 職 釋 了 正
本年も御正忌報恩講に参拝させていただき、尊いご縁をいただきました。京都の冬は底冷えと言いまして、特にお御堂は寒いです。ストーブもなければ、暖房器具は何もありません。座っておりますと、すきま風が入り、足もとから冷えてまいります。しかしその寒さが、御正忌報恩講を思い、親鸞聖人がご往生された時期を感じさせていただくことであります。
１１日の午前と午後、そして１２日の午前の法要は讃嘆衆(さんだんしゅう)（雅楽を演奏し聲明をお勤めする）として、出勤させていただきました。８０名を超える楽人の中で、演奏するのも本当に感動します。ご影堂に響きわたる雅楽の中、御門主さま、新門さまが入堂され、ご法要が始まります。その一員として演奏出来る慶びをあじわい、親鸞さまのお姿を仰ぎ声たからかに称名念佛させていただきました。
１２日の午後の法要（中逮夜(ちゆうたいや)法要）には内陣に出勤し、御門主さま、新門さまとともに、『浄土法事讃(じようどほうじさん)作法』という、ご本山でも年に一度だけ行われるむずかしいご法要に出勤させていただきました。もう何年目になるでしょうか、結婚前に西山別院に在職させていただいていたころより、毎年このご法要に出勤させていただいております。（３～４年出勤出来ない年もありましたが）前日の晩に、必ず法要の練習が行われます。お内陣の親鸞さまを囲み、歩き回る作法のタイミングをあわせ、それぞれの動作の間の取り方、合わせ方など、詳細にわたって打ち合わせを行います。それでもなかなか合わせることが難しいご法要です。
緊張の中、ご本山の七条袈裟を身にまとい、満堂の御影堂の中、親鸞さまに御礼もうさせていただく瞬間は、何にもかえがたいありがたさで感無量です。ただただこのご縁に感謝もうしあげるばかりです。（写真はご法要直前）
さあ、この次のご縁は大遠忌となるでしょう。御影堂の周辺ではもう、その準備が始まっていました。大銀杏までが参拝者の会場となり、内陣は出内陣が設けられるそうです。一座に集う全国からの門信徒は３５００名と予想され、一日二座５６日間１１０座行われる予定です。当寺の団体参拝予定はこちらの通りになっています。ご参照いただき、ご参加下さい。尊いご縁に皆さんとご一緒できるよう、願うばかりです。
