浄土真宗のお墓の建て方は?

投稿日:2001年9月1日

建立する前に

ふだんお寺に顔を見せたことのない方から突然「お墓を建てたので、お性根を入れてください」と電話で依頼されました。さっそく墓地へ出かけて行くと、これがやたらと凝っていて、中心となる石碑の横には石塔が立ち、手前横には観音像、その隣の法名を記した石板には「霊標」と刻まれ、おまけに石碑の向きが入口から見て真横になっています。「よくもまあ、これだけこだわった墓を造ったものだ」とあきれると同時に、なんだか心寂しくなってしまいました。
そこで、真宗門徒がお墓を建てる時の注意点をいくつか述べてみましょう。

1、建てようと思ったら、まずお寺に相談すること。

み教えにそぐわないお墓や、よけいなものを造っては台なしです。それに、信頼のできる石材店を紹介してもらえます。

2、墓相に迷わされずに。

お墓の向きによって幸不幸が生じるわけではありません。また場所も同じです。向きや場所にこだわると、先の例のように石碑の側面を拝する位置になったりしかねず、いかにも不自然です。

3、墓石の形もこだわらずに。

形によって善し悪しがあるわけではありません。石碑の上面を三角形にしたり、屋根や宝珠をつける必要もありません。

4、石碑(石軸)の正面に「南無阿弥陀仏」のお名号を刻みましょう。

ご先祖を偲ぶ上でも、人生無常の理をかみしめる上でも、つねに私の拠り所となり、礼拝の対象となるのは阿弥陀如来だからです。この場合、家名は台石に刻めばよいでしょう。またお名号以外の場合は、携帯用のご本尊を安置し、お参りください。

5、観音像・地蔵像・宝塔などは建てない。

帰依する仏様は阿弥陀如来一仏だからです。

6、「吉日」の文字は刻まない

日の吉凶や建てる時期にこだわりません。

7、「霊標」とせず「法名碑」とする。

法名を記する石板は「霊標」とは言わない。

このほか「お性根を入れる」のではなく、「建碑式(法要)」と言います。