本願寺函館別院にて
平成20年6月26日より27日の2日間、函館湯ノ川温泉花びしホテルにて、北海道教区Aブロック(札幌~函館地区)門徒総代会の総会・研修会が行われ、眞願寺からは髙間責任役員、笠羽総代、土蔵総代、富永総代、そして住職と5名で参加させていただきました。
開会式では札幌組総代会会長として当寺の髙間責任役員が献香(焼香)されました。研修会後は本願寺函館別院も参拝させていただき、意義深き2日間を過ごさせていただきました。総会及び研修会の報告を笠羽総代よりいただきました。
講演テーマ
仏心に愛しかるいのち抱きて
「念仏者がハンセン病の現実から学ぶもの」
~「救済の客体」から「解放の主体」へ~
講師 真宗大谷派解放運動推進本部委員 訓覇 浩(くるべ・こう) 師
ご報告
開会式の後、教区総代会総会が行われ提案された議案が承認され、15時過ぎから研修会が開催されました。今回この研修会について若干報告させていただきます。
講演テーマはハンセン病に係わる問題提起で、話の内容を聞いているうちに未だにこの問題が終わっていないことに驚きを覚えました。
ハンセン病は、戦前から戦後にかけて、ハンセン病を発症したというだけで、患者は社会で生活することが許されず、町や村から排除され国立療養所に隔離されました。その後多くの問題がおき、国も解決にむけた取り組みを行ってきました。今日においては国家賠償請求訴訟も判決が確定し、法的責任も明らかになっています。また、近年は、ハンセン病に対する理解と患者に対する国民の意識が変わり患者や家族に対する差別は緩和されてきていると言われています。
代表焼香する髙間氏
しかしながら、元患者の方々、これから社会で生活する方々についても、偏見や差別の中で、十分な医療等を受けることもできず、地域社会で暮らしていく上で多くの課題も残されています。
さらに、現在療養所に入所されている方の高齢化に伴い、入所者が年々減ってきています。医療機関としての療養所の将来に大きな不安も抱えています。
今、ハンセン病回復者の方々が、偏見差別を受けることなく、尊厳を持って、「ともに生きる」ことができる社会の実現が望まれます。
私たちも、浄土真宗のみ教えのもと、基幹運動を推進しています。目標は、御同朋の社会をめざしてであり、いのちの尊さにめざめる一人ひとりが、それぞれのちがいを尊重し、ともにかがやくことのできる社会です。さらに、過去の過ちと現実を直視し、差別と戦争のない社会をめざしています。そして、ハンセン病差別、性差別、民族差別、障害者差別などへの取り組みもすすめています。
心豊かに安らげる世界を築くため、差別の現実の克服と平和を尊ぶ社会の実現をめざし、新しい時代に生きる念仏者として歩んでいきたいものです。
2009年2月 釋一乗 (笠羽範夫)