江別小学校6年生の皆さんが、眞願寺でスケッチ

投稿日:2009年3月1日

昨年6月におとなりの江別小学校の6年生37名が、境内のスケッチにこられました。思い思いに真っ白なキャンパスに鉛筆で下書きし、すばらしいご本堂を描いてくれました。出来上がった絵は昨年12月より2月までご本堂にかざり、参詣の皆様も楽しげに見ておられました。
境内スケッチ

境内スケッチ

2月10日、5時間目の授業に住職がおもむき、6年生の皆さんに、お礼の記念品、そして建築家で当寺の設計を30年にわたって手がけてくださっている金安師の手紙を朗読し、卒業間近の生徒に励ましの言葉を贈ってきました。
境内スケッチ

子供達の目はみな輝き、いきいきとして私を見つめてくれました。「卒業されたらこの学校は母校となります。母なる江別小学校を故郷として、またいつか集ってください。そしてこの萩が丘にあるとなりの眞願寺にも是非顔を見せてください。いつまででもお待ちしています。」と声をかけてきました。ここに金安師のお手紙もご紹介します。

6年1組の皆さんへ

先日、住職さんから、皆さんの描いた絵を見せてもらいました。長い間、設計の仕事をしてきましたが、自分の設計した建物を描いてもらったのは初めてのことで、とても感激しました。

境内の建物の形や色をただ描くのではなく、皆さん一人一人が個性的で、画用紙に描いた建物の位置、色使いなど自由な発想にはとても驚いてしまいました。特に、本堂の屋根が途中までしか描かれてない絵、これは描かれてない屋根の部分が見る人によっていろいろな想像ができ、素晴らしい作品だと思います。

絵を描くことと、建物を設計することはとても似ています。絵は見たものを脳に伝え、自分の考えを加えて鉛筆や絵具で表現します。設計は建てる場所を見て、脳で自分の考えた建物を描き、図面を書き、コンクリートや木で表現します。絵を描くことも、設計することも、その対象物に対する思いと想像力がとても大事だと思います。皆さんの絵には私がもっていないすばらしく豊かな感性があり、こんなとらえ方もあるのだなと感心しました。

私は中学生の時から建築家になるのが「夢」でした。専門の教育を受け、勉強して一級建築士になり、独立して「夢」がかない、いろいろな建物を設計してきました。62才になりますがこの仕事が大好きです。今でも自分が考えた「夢」の建物を求めて仕事をしています。眞願寺さんの建物は30年の歳月をかけて設計した私の「夢」の集大成です。眞願寺さんが多くの人の目に触れ、大事に使ってもらい、さらに今回はこんな素敵な絵になったのですから設計者として、こんな嬉しいことはありません。皆さんも「夢」を求め、「夢」がかなう様に努力と強い意志をもって頑張ってください。ほんとうにありがとうございました。

平成21年2月8日
建築家 金安 俊一