ついに東南アジアで流行している鳥ウイルスが九州地方で発見された。日本では輸入が規制されてはいるが、渡り鳥が感染源として見られている。さすがに渡り鳥までは規制出来ないのか、詳しいことはわかっていないらしい。その鳥からぶたへ感染すると、そこで又新たなウイルスが発生しうるそうだ。毎年冬季に人間同士で感染しているインフルエンザも、実は渡り鳥が運んでいるらしい。
昨年はアメリカでBSE狂牛病が発見され、アメリカからの牛肉の輸入が規制された。その影響で今年の2月は大手の各牛丼店で、牛丼の販売が出来なくなった。「牛丼店」で「牛丼」が食べられないという、私個人としては何とも悲しい出来事である。
先日のテレビでは「鳥ウイルス」に感染しているとみられるにわとりが、生きたまま、燃やされている映像や、生きたまま埋められている映像が、映し出された。これを見た人は、どう感じたのだろうか??「もったいない」なのか「かわいそう」なのか、それとも「しょうがない」なのか…。どれも人ごとにはちがいない。ある人がその映像を見て「食べられないからって、殺さなくってもいいのに…残酷だよね。」と。じゃあ、自分が鳥ウイルスに感染してもいいのか…。
家畜として生まれてきた動物たちは、人間に利益を与えられなくなれば、生きている意味がない。たしかに、それは正しいかもしれないが、どういう状況や因縁で生まれてきた家畜や動物にも、意識はある。いやなものは「いや」と意思表示をする。そしてみな尊いいのちをさずかっている。
このまま、輸入の規制が長引けば、おのずと「うし」と「とり」がだんだん食べられなくなるだろう。そうなれば、「ぶた」が今まで以上に、流通するだろうし、値段も上がってくるだろう。それもしかたないのか…。
カレーライスはなにが好きですか?「ビーフ」?「ポーク」?それとも「チキン」?と聞かれたら、あなたはどう答えますか?私なら…「ビーフ」がすきですが、今はしかたないので、「ポーク」を食べています。と答えてしまいそうです。でも、「ぶた」だっていつまで大丈夫なのか…。
「うし」と「とり」と「ぶた」に聞きました。「一番嫌いな生き物は何ですか?」声をそろえて、答えました。「僕たちを自分の都合でどうにでもしてしまう、『人間』です」と。
ふと、思い出した。夏のキャンプで楽しんだバーベキューの時、大切な肉たちを食べきれず炭のようにこげて捨てたのは、私だった。
平成16年2月