法統継承式に参拝して(本山本願寺)

投稿日:2014年6月9日

DSC073216月5日~6日にかけて、私たちのご本山、京都本願寺では、法統継承式が行われました。本願寺の第24代住職で、浄土真宗本願寺派の門主である即如上人(大谷光真師)から第25代を継承されたご長男の専如上人(大谷光淳師)へ代替わりされた儀式です。

全国各地より僧侶や門信徒が集い、本願寺の阿弥陀堂そして御影堂とも縁も含めて満堂となり、御影堂前に設けられたテントの椅子も満席となりました。立って参拝されている方も多く見受けられました。

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報道によると6千人とも8千人とも言われています。そんな二度とない希有の御勝縁に、一寺院の住職として坊守共々参拝出来ましたこと大変有り難いことと感謝させていただきました。

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初日の6日は一時間前には境内に着きましたが、すでに両堂とも満堂と言うことで、御影堂前のテントでモニターを拝見しつつ参拝させていただきました。即如前門主様の『退任に際しての消息』の親読を聞かさせていただき、37年間のご苦労と、ご教化いただいた数々を思い起こし、感謝の中でお念仏申させていただきました。その後の日没勤行では門主として最後の調声をお勤めになられ、これから門主となられる専如上人とご一緒にご出座されていました。お二人とも門主として、新門として、最後の御衣体姿でした。

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ご法要が終わりまして、即如上人ご門主として最後の「御親閉」をされました。親鸞聖人のお厨子のお扉を閉めて、鍵をかける儀式です。感動的な一時でした。その後、閉門されてから非公開で譲渡式が行われ、「鍵・衣体・印」が即如上人より専如上人へ譲渡されたようです。

DSC074006日は午前10時からの儀式と言うことで、早めに宿を出て何とか(伊澤さん滝澤さん、お世話になりました)御影堂の中に座ることが出来ました。先ずは阿弥陀堂でのご法要はモニターを通しての参拝となりましたが、皆さんご一緒にお勤めされていました。前日のテントでもそうでしたが、どこにいても一緒に大きな声でお勤めさせていただけることは、とても有り難く思いました。

DSC07431御影堂にご移動され、拝見するお姿は装いも新たにとても凛々しく、ご門主となられ御影堂での御登禮盤でした。昨日まで専如上人がお座りになられていた処には、前門様となられた即如上人がご出座され、とても穏やかに感じました。

DSC07505_edited-1ご法要後、その場にて式典が行われ、ご門主となられての御決意を『法統継承に際しての消息』として親読されました。長い歴史のある宗門(本願寺)を顧みられながら反省され、そしてこれからはその時代に即応した伝道が必要だいうことと、大震災の復興や様々な社会問題にも取り組んでいかれる思いを表されました。

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その後のお言葉でも、専如上人は「現代は戦争について日本を守るため、親しい人を守るためであれば、それ以外の人が犠牲になっても許されるという思いが、特に戦争を経験されていない方にあるのではないか」と指摘され、平和への願いを「宗門から発信できれば」と力を込められました。また、原発について福島第1原発事故を例に「恩恵を受ける人と、犠牲を強いられる人の関係がはっきりしてしまっているところに問題がある」と述べられ、その上で「次の世代に負担を残すのが原子力発電だ」と強く批判されていました。そのお言葉をいただき、まったくもって同感であり、とても嬉しく参拝の皆様と共感させていただきました。

H26.6.6 法統継承式

 前日に退任した即如上人は、「お陰様でこの日を迎えることができました。在職37年2ヶ月の間、宗門の歩みをともにし、私と坊守(裏方)をささえ、助けて下さった方に心より感謝申し上げます。力の及ばなかった点が多々ありましたが、皆様よく辛抱して下さDSC07502_edited-1いました。それぞれの立場で努力されている僧侶・寺族・門信徒の方々の姿に励まされた37年でした。長い間ありがとうございました」とのべられ、満堂の御影堂より感涙とお念仏があふれました。今後も前門様として宗門を支えられ、特に首都圏での伝道教化に取り組まれることと思います。

いのちの終始は自分の計らいでを越えた不思議なご縁ですが、次世代へと受け継がれる法統継承が、お二人お元気でお迎えになられたとこ、これに勝る慶びはありませんでした。

両門様におかれましては、いつまでのお元気で私たちを御教化いただきますよう、心よりお願い申し上げます。

当日の動画が見えます(産経新聞)

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