眞願寺では、使えなくなったお佛壇でまだまだきれいで新しいものはお預かりして、御門徒の方で、欲しい方がいれば差し上げています。
ここ10年間で 20台以上のお佛壇を一時お寺で預かり差し上げています。今回はその例を紹介します。
遷座法要~住職様のひとことから~ 木村様
長男が亡くなってから丸3年を迎えた祥月命日の日のこと。住職さんのお参りをいただき、集まってくれた親戚と共に阿弥陀経のおつとめをして、ありし日の息子の姿を思い起こしておりました。ご本堂で追悼法要をさせていただいてからもう3年になるとは日の過ぎるのは本当に早く感じるとともに、ふと今でも名古屋の地で仕事に精を出しているのではと思ったりします。
お参りも終わり雑談の中、住職さんのひとこと「木村さん、仏壇いらないかい?」とのこと。
「えっ、どういうことですか?」とお尋ねすると、「仏壇を新しく購入され、以前の仏壇をお寺で引き取ってほしい」ということでした。洗いに出され金箔張り替えられ、今の言葉でいうとリフォームされた立派な仏壇で、大きさもだいたい同じ位かもう少し大きいかも知れませんがというお話しが切り出されました。私どもの仏壇は60年程経っているようですが、洗いや箔の張り替え、漆の塗り替えにはとうてい耐えられそうにもなく、日々の扱いも気を付けながらのお荘厳でした。何とかしなくてはと、ひそかに考えていたところでもありましたが、そんなところも住職さんは見抜かれていらしたのかも知れません。あつかましくと思いながらも間口を測り住職さんに託すこととなり、入らなければお寺でお預かりするということになりました。
先方とのお話が進み、4日後には我が家に搬入と決まり、下さる方は南幌の吉田さんでご本堂では、ご一緒になるお顔なじみのご主人様のお宅でした。
当日は住職さんと共においで下さり、吉田さんの指示の下、梱包も順序よく解かれ、入るかどうかと心配しておられましたが、まるで注文したようにピッタリ収まりました。住職さんの御手によりご絵像ご本尊脇掛と移され、仏具も収められお荘厳されました。
住職さん、吉田さん、私共「落ち着きましたね。よかった、よかった。」とそれぞれの立場の思いの中での感謝の言葉でした。遷座法要をお願いすることとなりましたが、急がずとも団参が終わり息子の月参りの日にと決まりました。
数年前より、お寺の2階広間に厚別の遠藤家(第三世坊守の生家)より頂戴した仏壇が床の間に安置されております。仏壇の授受については何のわだかまりもないものと受けとめさせておりました。納骨堂3階に今現在数基の仏壇が預けられているそうです。私共の古い仏壇は住職さんとご相談のうえ、我が家で懇ろに解体し、我が家でおたきあげ処分致しました。
記念すべき50年に一度の親鸞聖人750回大遠忌法要に門信徒の皆さんと共に参拝、大谷本廟では息子にこの度のことを報告することができました。
遷座法要には吉田様ご夫妻にお越しいただいて、娘を嫁に出したような思いですと落ち着いたところを見ていただき安心をしていただきました。私共がいただいたご法縁をこれから大切にしてゆきたいと存じます。主人は毎朝の読経とご文章拝読。一段とあたたかく光り輝く金仏壇に手を合わせております。団参を中に我が家での1ヶ月の間の出来事でありましたが、平成23年親鸞聖人750回大遠忌法要の年、忘れられない年となり、御住職、吉田様のお心を頂戴いたしありがたく、又、沢山のご法縁に出遇わせていただき深く感謝申し上げます。ありがとうございました。 合掌
法名 釋恩厚(木村 慶子)
代々つながるお佛壇 江別市・嶋中様
謹啓 盛夏の候、ますますご発展の事お喜び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、誠に恐縮しております。
このたびはご住職様よりご縁をいただき、とても立派なお仏壇を譲っていただくことができました。
このようなご縁に恵まれましたのもご住職様をはじめ、皆様方の温かいご指導ご助力のおかげと、深く感謝申し上げます。
立派な仏壇のまえで 子供たちと手を合わせ生前の母の話しをしております。
大切に、代々つながるように使わせていただきたいと存じます。
有難う御座いました。
平成23年7月20日
江別市 嶋中修道