6月7日、お寺でご門徒の葬儀があり、朝境内にゴミでも落ちていないかと、見て回ると、何気なく鐘楼堂横付近で、スズメの鳴き声が響いていました。近くの楓の木に取り付けてある小鳥の巣には、スズメが子育てをしているのは知っていましたので、注意深くその巣を見上げると、巣立ちしようとしているスズメの子供が、ハネをばたつかせているのに、巣からでられないで、じたばたしていました。
どうしたんだ!?早く飛び出せばいいのに!と近くで親鳥が心配そうに近くをとんできては、鳴いていました。そのそばには巣立ちしたばかりのひな鳥が、まだおぼつかない様子ではありましたが、元気に親鳥のそばにいました。よくよくその巣立ちできずにいるひな鳥を見てみると、どうも片足になにかがからんでいるか、引っかかってぬけないようです。これでは、飛び立てません。何遍も外に出てはハネをばたつかせたり、又巣の中に戻り、そこに親鳥が心配そうにのぞきに来たり・・・。
「なんとかしてやりたい」と思いつつ、葬儀の時間。葬儀が終わればすぐにご法事に行かなければ。。帰ってくるまで無事でいてくれればと思いつつ。
昼前にお寺に帰り早速きがえ、マスク・軍手をつけて救助に行きました。はしごをかけると、おどろいたか、ひな鳥が又出てきてハネをバタバタ・・・!「今助けてやるから、静かにしてろ!」と声をかけつつ、はしごを登りひな鳥を押さえると、やはり片足が何かに巻き付き、ぬけない状態。仕方なく、巣箱下の扉を開き、親鳥が運んだ小枝などを全部出すと、ひな鳥もいっしょに出てきました。「あ~、よかった(^o^)」
そうおもいつつ、そのままハシゴを下りて絡みついている脚を見てみると、ビニールのほそいひもでした。やはり人工的なものが原因のようです。柔らかく巣作りの材料にはよく使われているのを見ますね。はさみとカッターでなんとかそのビニールを取り、少し様子を見てから離してやろうと思った瞬間、ばたついて私の手から離れていきました。
鐘楼堂の近辺を逃げ惑うひな鳥。なんとか捕まえてきちんと見てやらないとと思いつつ捕まえようとしたが、なかなか、、、。やっと鐘楼堂の基礎にしがみついて、チャンス!と手をさしのべた瞬間!道路の側に飛び立って行きました。意外ときちんと(といってもなんとか飛んでいったような)飛んだので、これだったら大丈夫かな。
と思った時、一緒にいた廣兼氏が、
あ!カラスだ!!!捕まる!と叫んだ。上方より急降下し、あっという間にひな鳥を口にくわえ、学校側の倉庫の上に着地。あああ~~っ!!。
一瞬の出来事で、ただ呆然。カラスはまわりを確認し、ひな鳥を・・・。
もう少し、きちんとひな鳥を押さえていればよかったのに。救出している状況を、銀杏の木の上からカラスが見ていたらしい。飛び立った瞬間のチャンスを逃さなかったカラス。弱肉強食の世界。自然の営み。わかってはいるけど、何とも言えないむなしい一時でした。