しんちゃん便り No.5

こんにちは!法務員の稲垣です! 皆さんいかがお過ごしですか?

  「うちのお父さんと言えば、日本酒。たぶん札幌ドームくらい飲んだと思います。」―あるご門徒のお宅でそんな話しを聴かせてもらいました。家ではお孫さんを可愛がり、こよなくお酒を愛していたお父さん。
 外に出ればなんと、高等学校の校長先生でありました。ご自身は中学生の頃から教員を目指され、専攻は国語。古文・短歌や俳句など、まさに「日本語のスペシャリスト」とも言えるお父さん。意外にも「川柳」をライフワークにしていた、と奥様が教えてくださいました。「お父さんは堅い俳句とか短歌の方が向いているのに何で川柳なんだろう」と娘さんも不思議に思ったそうです。
 日常を言葉にし、紡ぎ合わせる。これに苦心されていた様子。机に向かい、書いては消し、消しては書き、時には頭を抱えながらじっと考える、お父さんの背中を想像しました。
『息を呑み  酒を飲めずに  花に酔う』
 これが、お父さんの最後の一句です。御命日の4日後、北海道新聞の川柳コーナーに掲載されたそうです。「きっと父は、大好きなお酒もあまり美味しく飲めなくなってきたんだと思う。その変わり、世の中のものが全て美しく、光輝いて見えていたのではないかと思います。」
と、娘さんが教えてくださいました。
 この一句により、淡い花びらが色濃く映し出され、私にそっと感動を与えてくれました。

釋 等 観 (法務員 稲垣心平)

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