境内の公孫樹 樹齢100年余

投稿日:2012年3月1日

ご本山西本願寺の御影堂門を入ってすぐに、樹齢350年以上といわれる横に広がる大木が目に入ります。
普通は天に高くそびえるのに対して、まるで反対なので、古くから『逆さ公孫樹』の名で親しまれています。1788(天明8)年の「天明の火災」で、湯気のように水を噴いて建物を守ったというので『水噴き公孫樹』の別名もあります。

ところで、当眞願寺の境内にも公孫樹の大木があり、門徒の皆様にも親しまれております。そびえ立つ大木を見上げるたびに、いつ頃、誰の手によって植えられたものかと、そんな思いを常々抱き続けていたものであります。眞願寺の公孫樹
この公孫樹は平成13年2月5日江別市保存樹木に指定されたのでありますが、樹高18メートル、直径70センチ、樹齢90年と推定され、「同種では市内で最も大きいと思われ、樹容が優れている」という理由からであります。
公孫樹の葉は秋になると黄葉するのが普通ですが、この公孫樹の葉は緑を保ったまま葉を散らせる特異性があります。深い興味と、さらには畏敬の念さえ抱かずにはおれません。

しかし、この公孫樹の来歴などについては長い間不明でありましたが、たまたま当寺佛教婦人会結成90周年記念誌を発行するために、昔のことをよく知っておられる谷山初枝様、土蔵つや様、進藤トキ様をお招きして『昔のお話を聞く会』を開き、大変有意義な集いとなりました。
眞願寺の公孫樹
その折りのことであります。谷山様の「父が馬車に積んで寺へ運んだ」という幼時の記憶を語られたのであります。当時の状況や事情などから、ほぼ正確な裏付けであるとして、記念誌『慈悲の友』に掲載したのであります。
あれから10年近くが経過し、すでに谷山様も土蔵様もお浄土にご往生されましたが、風にそよぐ公孫樹の大木は、私たちを温かく見つめ続けております。私達が集う眞願寺からお念佛の声が途絶えることのないよう、見守り続けてほしいものだと願わずにはおれません。