12月3日午後1時より今年度『秋初穂感謝法要』をお勤めさせていただきました。大自然の光と大地、多くのめぐみによって収穫された新米をお供えいただき、感謝の一時を過ごさせていただきました。お米だけに限定することではなく、私たちの口に入るすべての食物に感謝する法要といえるでしょう。
日常『お佛飯』をお供えしてお勤めしているので、毎日が感謝の法要と言えると思いますが、凡夫である私だからこそ、別にご法要をお勤めすると、感謝の思いを新たにさせていただくことが出来ます。
11月の支援旅行の時、仙台から海岸線を南下していくと、各地で畑や水田の「除塩作業」をしていました。震災から2年半が過ぎた今日、こめどころの宮城県や福島県の沿岸では、農作業が出来る状態にはほど遠い状態でした。まして原発事故によって帰宅困難になっている福島の地域では、農地に足を踏み入れることさえ出来ない状態です。稲作農家の方が自分のたんぼに行くことさえ出来ずに避難を強いられている方々は、どれだけ辛いおもいをされているか、想像も出来ません。稲作に限らず、すべての農業、そして漁業に従事されてきた方々もどんな思いでいらっしゃることでしょう。
すべての物を食することは、簡単な事ではありません。私の口に入るまで、どれだけの『縁』が結ばれてきたか、想像することも出来ません。大自然のめぐみといのち~そこに携わってこられたおおくの方々~そして調理をしていただいた方や必要な燃料、調理道具まで、どれだけの方々が一食の食事にご縁をいただいているのでしょうか。
そんな原点に返りつつ、感謝させていただく大切なご法要でした。ご法話は納内円覚寺御住職の轡田光章師にお取り次ぎいただき、ご自身の経験と感じられたエピソードから、わかりやすくおひもときいただきました。
江別の街も白一色となり、これから本格的な冬を迎えます。そんな今日は12月8日、お釈迦様が菩提樹の下で『さとり』を開かれた「成道会」です。お釈迦様がお説き下さった『縁起の法』は、物を食する事の出来る不思議な尊いご縁に思いをよることができますね。
食事の時は、浄土真宗の「食前の言葉」と「食後の言葉」を唱和しましょう。