昨年10月に発足した連研履修者の会である「いちょう会」の皆様には、当日10時半より会場の準備等で奉仕いただきました。朗読劇ということで、暗転にするために、普段は外にはる幕などを利用して、窓をふさいでいただきました。
お昼前にはスタッフの方々もお越しいただき、機材の搬入や設営にも、お手伝いいただきました。お陰様で準備万端整いました。
二日前より北海道新聞や地域の情報紙まんまる新聞でも紹介いただいたお陰で、問い合わせのお電話もいただいておりました。また会場には1時間前から、おこしになる方もいらっしゃり、ありがたいことで開演時間には約120名の方々にお越しいただきました。
そして2時より熱気あふれる中で、木村弘さんの司会進行により合掌礼拝ののち、住職挨拶そして、いちょう会会長の萩原建興さんの挨拶がありました。
いよいよチーム一番星の代表久保田夕子さんにマイクをわたし、開演となりました。「朗読塾チーム一番星」の概略・今回の朗読劇「いのちのいろえんぴつ」の説明、そして途中で歌う歌を皆さんで一緒にということで、練習をしました。
場内が暗転になり、出演者がスタンバイし、釧路厚岸町の風景や学校がスクリーンに映され、ナレーションよりはじまりました。
出演された皆さんも、学校の担任の先生、校長先生、お父さん、お母さん、友達、そして本人の加純ちゃん等の登場人物になりきって朗読され、笑い、怒り、涙、それぞれの感情を上手に表現されながら、実際にあったこのお話を、当時の状況とそれぞれの登場人物の思いに心寄せつつ、観劇させていただきました。
お話は平成15(2003)年に脳腫瘍のため11歳で亡くなった女の子の話であり、悲しくつらい別れのお話ですが、その子が残してくれた絵本から、「いのち」「偶然」「人と人」そして「感謝」など、多くのことを学ばさせていただく事ができます。それを朗読劇として表現していただいた尊い劇でした。
「とてもすばらしかったです。いのちある限り、ありがとうをあらわしていきたいと思います。また是非お願いします。」70代女性
「この度の題目は新聞やテレビで何回か紹介されていました。実話とのことと認識していましたので、どのような朗読になるのか楽しみにして参加しました。素晴らしい演技力と声で本当に感動しました。これからもこのような催しをお願いします」60代女性
「今年知人の娘さんを亡くしました。改めて一生懸命に生きないといけないと感じました。その子のためにも...。」30代男性
などなど、皆さんすばらしかったと、感想をおっしゃって下さいました。
私のいのちは、不思議なご縁によってさずかった「いのちで」あり、自分の思いや願いによって生まれてきた「いのち」ではありません。生んで下さった両親をはじめ、祖父母、曾祖父母と、多くのご先祖が結ばれなかったら、生まれてくる事はなかった事です。両親にしても、「この子をつくろう。」と思い、生んだ親はいないでしょう。
そしてその人生も、人とくらべる事の出来ない喜びや悲しみなどを経験し、他人に真似できない生涯を過ごしていくことでしょう。それもすべて不思議な出会いと別れをくり返して、老い、病み、いずれは死(終活)をむかえます。
二度とないたった一度の人生をどう生きぬくか、「いい人生」とは「素晴らしい人生」とは「自分らしい人生」とはどんな生涯をおくる事なのか..
11歳で亡くなった加純さんの最後の詩には
お父さん、お母さん、家族の人、自然のぬくもり
みんなの愛情をうけて、人は成長していく
とありました。
我が身をふり返れば、平素から自己中心的になり、なにかと不平不満だらけの私ですが、多くの方々のご縁によって「いのち」をさずかり、両親はじめ家族や多くの方々に助けられながら、感謝の中でいのち終わるその時まで精一杯の人生を歩まれた姿に、ただ感動することです。
最後になりますが、お越しいただいた皆さん、チーム一番星の皆様、そしてご奉仕いただいたいちょう会の皆さんに心より感謝申し上げます。今後とも一般公開のご縁を企画し、地域に開けたお寺を考えていきたいと思います。