13日に降り積もった雪が、永代経の終わった今日も境内に残っています。そんな寒く足元の悪い中ではありましたが、多くの方々に参拝頂き、お陰様で今年の秋の永代経も三日間お勤めさせていただくことが出来ました。
二日目の15日は、法要終了後に仏事相談が行われ、なん組みかの方々がご相談にお越し頂きました。十人十色とは申しますが、ご相談も様々ですね。一度のご相談では解決できないことも多いようです。代々受け継がれてきたみ教えが途切れてしまうご家庭もあったり、少子化と核家族化の中、お仏壇の行き場所がないことも多いようです。にたようなご相談はありますが、すべて初事としてお聞きさせて頂いています。そして皆さん心の問題、家族関係の問題がその根にあるように思えますね。
さて、三日目の16日は、開闢法要を併修し満座ということもあり、満堂の中でご一緒にお勤めさせていただきました。『三奉請』もご一緒にお唱えいただける様になりましたし、阿弥陀経も皆さん大きな声でお唱えいただき、有り難いことです。
ご法要が終わり、別室で本日開闢法要だった方々に、記念品の贈呈と茶話会があり、お納めいただいたご懇念に感謝し、御法縁を今後とも深められますよう、お話しさせていただきました。
ご法話は四年ぶりに三笠市善照寺御住職の林寺正憲師に三日間のお取り次ぎを頂きました。林寺先生のご法話は、はぎれよく、笑いあり涙あり、そしてお念仏のお心をお説き下さいました。お元気になられて、ご法話を聴聞させていただきましたこと、感謝の中で三日間過ごさせて頂きました。
秋の永代経が終わると冬がそこまで来ています。境内の雪の準備も終わりましたが、根雪はなるべく遅い方がいいですね。そんな中、明日から札幌組の重点プロジェクトの災害支援として福島県・宮城県に行ってきます。ちょうど一年前に奉仕させて頂いた福島県浪江町の常福寺様の報恩講に参拝させて頂きます。といっても浪江町のお寺でするのではなく福島市にある宗派の支援事務所で行われます。
現在も避難指示解除準備区域となっており、いまだに皆さん避難を余儀なくされています。そのため、報恩講でさえと言うか、お寺でご法要が出来ないまま、三年半が過ぎたのです。自分のお寺で報恩講も迎えられない中、どんな思いでお過ごしになられたことでしょう。そして生活自体もいつまで避難生活を強いられるのでしょう。そんな方々に寄り添いつつ、報恩講に参拝させて頂き、避難指示解除準備区域にある常福寺様の清掃に行かさせていただく予定です。
今日、北海道電力より料金値上げを承諾し、再契約を結んでほしい旨の電話がありました。断ればどうなるのかと聞きますと、「いずれ電気が止まります。」と言うことでした。原発によって苦しまれている方々を目の当たりにするとき、その原発を再稼働するための料金値上げに対して、「ハイ、わかりました」と、お答えできませんでした。しかし断れば電気が止められます。どうしたらいいのでしょうか。電話頂いた方に「震災後、福島に行かれましたか?苦しんでいる方々に会われましたか?」と聞きましたが、「いいえ」と言うことでした。
料金値上げに反対しているのではなく、再稼働のために料金を値上げし、稼働できれば値下げすると行った考え方にどうしても納得できない今日です。み教えを代々受け継がれてきたことを感謝し、今日より後その頂いたみ教えを確認し後世に伝えうるためのご法要が永代経法要です。み教えだけではなく、この素晴らしい世界も、子や孫へと受け継いで行かねばならない責任が私たちにはあると思います。捨てる場所さえ決まっていない、そして安全ではない原子力に依存してきた事を反省し、依存しない中でどうしたらいいのかを、早急に考えていかなければならないのではないかと思いますし、その為の値上げであれば、協力させて頂きたいと思います。いずれにしても難しい問題ですね。福島に行って深く考えてみたいと思います。
日々寒くなります。風邪気味の方も多くなりました。どうかご自愛下さいませ。