特集 今だから出来ること 考えること①

投稿日:2022年10月6日

浄土真宗のお寺として

世界中がコロナ禍になり早2年半となりました。日本でもワクチン接種・PCR検査・行動制限・今日の陽性者・第7波などの言葉が日常となりました。8月末現在も陽性者増加し高止まりの状態です。
あらゆる生活様式も変わらざるを得なくなり、当たり前に出来ていたことが、出来なくなりました。
今は行動制限もしない流れになってきたようですが、一体いつになったらマスクを取って行動できるようになるのでしょう。もう元通りの生活には戻れないような気もします。新しい生活基盤を考えていくべきかもしれません。
そして戦争です。短期間で終わると予想されていましたが、まもなく半年になります。罪もない人々が殺し殺され、犠牲者と難民が日々増加しています。いつの時代も憎しみから恨みが生まれ、世代を超えて受け継がれていきます。どこかで止めなければなりません。
そして世界不況となり、貧富の差が広がり、貧困が益々深まっています。本当に悲しく嘆いても嘆ききれないことです。
そんな中で、一人の人間として、浄土真宗の寺院として何が出来るだろうか。何をすべきだろうかと考えると、次から次に浮かんでは消え、消えては浮かんできます。
原因を探り人を裁けばすむことではなく、どうすれば幸せに生きていく世界を築くことが出来るかではないかと思います。理想を語り合うことも大切だし、そこに向かって議論し理解しあっていくことも大切でしょう。当然お寺としてお念仏のみ教えをどう伝えていくか。儀式儀礼の大切さを後世にどう残していけるかということは最も大事なことです。
だからこそ、大切なことを続けながら、今私にそしてお寺で出来ることを考え、可能なことから取り組んでいくべきではと思うのです。

これからの布教活動

お寺で行われるお彼岸やお盆、浄土真宗で最も大切な報恩講や降誕会などの恒例法要は、ご法要とご法話から成り立っています。ご法要ではご一緒に儀式に参加し、ご法話ではみ教えを聞かせていただきます。お寺の住職や坊守、法務員さんとふれあい、コミュニケーションを取ることも大切な機会となります。
コロナ感染が拡大する中で医療機関も大変な状況となりました。従事されている方々は本当にご苦労されていることでしょう。その中で病院に入院されている方への見舞いが制限されるようになり、いわゆる『死に目に会えない』方も多くなりました。看取るとは、『死』を受け止める大切な時間であると思うのですが、それも不可能になりました。あるご門徒の方が、「妻が入院してから見舞いにも行けなかったので、まだ実感がわかないんです。」と初七日の時に話されていました。
すべての大切な場にいることが不可能になり、その場で肌で感じる事が出来なくなりました。それでも今だからこそ出来る事があるはず。この際始めよう!と一念発起しました。

    1. InstagramFacebookを活用した情報発信を始めました。今まではホームページの更新だけでしたが、現在ではフォロワー850名を超え、若い方や地域を越えて多くの方に見ていただいています。

    1. 眞願寺で行う恒例行事をライブで配信し、世界中どこでもネット状況があればご覧いただけるようになりました。副産物として、今まで配信した動画もご覧いただくことが出来るということです。ご法話も繰り返しご覧いただけるようになりました。

    1. お寺で法要や葬儀を行う方のうちご希望された場合は、ご法事やお葬式もライブ配信を始めました。見ていただきたい方のみに事前に視聴方法をお伝えし、事前に登録したURLとQRコードをお渡しします。視聴できるのはそれを見ていただいた方のみとしました。
      出席したくても出かけられない方、後からご覧にもなれるなど、ご利用いただいた方には非常に喜んでいただいています。

  1. 「どんなきっかけでもいい、先ずはお寺に来てください。そしてご縁にあってください。」と平成26年より眞願寺スタンプラリーを始めました。しかしそれもできなくなり、お寺に参られた方はもちろん、ライブ配信で参られた方もスタンプ押印する、新たな方式での参拝の記録帳をはじめました。


「お寺にお参りに来てください。」とおすすめできない時が来る、しかもこんなに長期間にわたるとは想定もしませんでした。一般の月忌参りや祥月命日のお参りも激減し、年忌法要や葬儀までもが、延期や中止、そして家族だけの儀式へと変わってしまいました。

葬儀会社もニーズに合わせて「家族葬」や「一日葬」という言葉を生み出し、少人数での簡略化した儀式を勧めるようになりました。本来そういう言葉はありませんし、一日で済む葬儀は物理的に無理ですし、葬儀に種類はないのです。
こんな難しい時代だからこそ、大切にしなければならないことを、今一度原点に戻り考えなければとの思いを強くしています。

おすそわけ運動

5年ほど前から頂き物や納骨堂などのお下がりもので、充分食べられるものを「子ども食堂地域食堂しんがんじ」をはじめ、近隣の児童会館や保育施設などにお届けしています。
今年の春より、納骨堂の入り口や玄関に『おすそわけBOX』を設置して、納骨堂にお供えしたお供物を放置してお帰りいただくのではなく、ここに入れていただくようにしています。特に食品ロスの対策にもなり、最近ではわざわざこのBOXに届けに来てくださる方もいるようです。
コロナ禍になってから皆さんにもご協力いただき、納骨堂の放置されるお供物も激減し、捨てなければならない食品も少なくなりました。そしてこの運動により、多くの子どもたちの笑顔が見れるのなら、本当にありがたいことです。
 先日は、今年よりおすそわけをお届けした児童センターみなぱさん(江別市緑町)から、お礼状と写真をいただきましたので、ご紹介します。

 眞願寺さま
拝啓 初秋の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。先日はNPO法人みなぱの児童に多大なご厚情を頂戴し、まことにありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。
いただいたフルーツ、お菓子類は、さっそく子どもたちのおやつに提供させていただき、子どもたちから大変喜ばれました。
感染症の状況下の中で活動に多くの制限が強いられている日々ではありますが、眞願寺さまをはじめ、地域の皆様に支えていただきながら、子どもたちの豊かな日常をつくっていきたいと考えております。
今後とも、ご教示とご助力をいただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いします。
8月25日
特定非営利法人みなぱ 理事長 中村絵梨子

この特集では、皆さんのご意見やご感想をお待ちしています。
是非お寄せください。今後は『地域活動』や『居場所作り』などについてもお伝えしていく予定です。

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